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 エッセイ 「駒込王子」
■母の蒲団
 
二十年ぶりに、蒲団(ふとん)を買い換えました。それまでは、田舎の母が作った蒲団に寝ていました。今頃の季節になると、二・三年おきに、田舎から蒲団と綿入れの半天やセーターなどが届きました。そして、それまで使っていた蒲団を、送り返していました。蒲団は田舎仕様で、掛け布団の裏地には、花色木綿か海老茶色の生地が使われていました。綿入れの半天は、成人男性用の、細かい紺ガスリ地が使われていました。これが、自宅のデスク・ワークにいいのです。綿が少なめに入れてあって、夏の冷房時などと、ほぼ一年中、重宝していました。もちろん、蒲団も半天も母の手作りです。ですから、いつもフカフカの蒲団に寝ていました。二十年くらい前、母が亡くなって、初めて蒲団を買うハメになりました。所が、市販の蒲団生地はパステルカラーばっかり。それが、汗をかくと、カバー越しにカビ汚れになり、真っ黒になりました。蒲団カバーで、なんとか誤魔化していたものの酷くなり、一度だけ、コインランドリーで洗濯しました。すると、トジ糸付近の表地が破れてしまいました。それでも、なんとか持たせていましたが、耐え切れず、今回の購入に到りました。

  インターネットで検索し、三千円くらいで、ポリエステル綿の蒲団を見つけました。蒲団地が海老茶系だったので、早速買いました。コレが軽くてとても暖かいのです。手持ちの綿毛布と重ねれば、東京の冬なら充分です。洗濯も可能ですが、この値段だったら、数年で買い換えても惜しくはありません。半天は、通販で見つけたフリースの半天を一年中使っています。紺一色の厚地一重物で、掛け布団下のカイマキにもなりますし、カレーなどの食べこぼし汚れ防止の、膝掛けにもなります。洗濯が手軽に出来て、二十年使っても、びくともしません。そんなこんなで、暫く忘れかけていた母を思い出しました。私はすぐ下に妹がいるせいで、母親と一緒に寝た記憶が殆んどありません。一度、四・五歳の頃、母の実家に泊まった時だけでした。おまけに、その晩は風呂も一緒に入りました。それが、嬉しくてしかたがありませんでした。私は両親の期待を一身に背負って育った息子でしたが、雪国の生活がイヤで田舎に帰りませんでした。母は、私がいつ帰って来てもいいようにと、家を新築して、大きな私の部屋まで作って待っていました。
                          (2018.11.1)
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 '18/11月の特集
■ストレスによる疑似行為
 
実際はそうじゃないのに、ストレスによって症状を呈する事があります。発端はやはり、実際の病気によるものではなく、その疑似行為によるものです。人は、往々にして無意味な事をやってしまうものです。チック現象など、がその一例です。気を付けなければならないのは、それを繰り返しているうちに、実際の症状へと移行する場合がある事です。子供によくありますが、大人にも起こり得ます。事の発端は、何気ない簡単な事からです。ストレスなどの緊張感の余り、目を頻繁にパチクリしたり、顔の表情を歪めたり・・・と様々です。殆んどの場合、ヘタに注意するよりは、放っていた方が自然に治ります。時々見かけますが、自分の首ポキポキしている人がいます。緊張の余り、間が持てなくなってやっている人もいれば、得意満面の顔でやっている人もいます。その結果、腕や手に麻痺を発症している人がいます。全く、愚かな行為です。それは、本編で度々問題視している、頚椎ヘルニア発症原因の一端です。

  呼吸器系ではどうでしょうか・・・。よく、頻繁に空咳(からせき)する人をみかけます。緊張時の咳払いを通り越して、盛んに空咳をする人です。それが高じて、クセになっているのです。きっかけは、やはり何気ない事でしょう。風邪をひいた後など、痰(たん)の切れが悪いとか、受動喫煙がイヤだとかで、つい空咳をしてしまうのでしょう。それを上司から目ざとく指摘されたりすると、よけい咳き込んだりします。そして、「病院で診て、貰った方がいいんじゃないか・・・。」などと言われると、よけい意識してしまいます。しまいには、その上司が部屋に入って来ただけで、条件反射的に咳き込んでしまいます。しかし、自宅でくつろいでいる時は、咳など一つも出ないのです。そういう、人にプレッシャーをかける上司などは、どこの世界にもいるものです。本人は、親切心だと思っているから、よけい始末に負えません。毎日、朝から晩までそんな上司と同室になり、緊張感の連続と共に、咳き込んで過ごす事に成りかねません。そうしている中に、本当の病気になってしまう事があります。

  当初は何の症状も無い空咳でも、それを繰り返すうちに、呼吸器の粘膜にストレスがかかり、炎症を起こしてしまいます。咳は恐らく風速何十メートルの強風でしょう。それに粘膜がいつも晒されていれば、内皮細胞が傷付いて、炎症が起きてしまいます。のどがヒリヒリしてきす。その症状を紛らわすために、よけい咳払いを繰り返すことになるでしょう。こうなると、完全に呼吸器疾患です。ともすれば、咳喘息への移行と共に、肺疾患など起こしかねないでしょう。結局、こういった疑似行為は、心療内科の病気でもあります。弊院は、カイロプラクティック療法による、心療内科領域の治療も行なっています。カイロプラクティック療法は背骨にアプローチして、神経の流れを整えて病気を治す治療法です。その神経には、自律神経も含まれます。ですから、整形外科関連のみならず、心療内科領域も含まれるのです。それが本来のカイロプラクティック療法です。それに加えて、弊院では心を鍛えて再発予防を図るための、瞑想法もご指導しています。

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