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 '16/5月の特集
■オゾン発生の空気清浄機
  私が子供の頃、住んでいた農村は悪臭に満ちていました。汲み取りトイレの匂いや畜産の匂いなどでしたが、他の世界を知らないので、世の中常識的にそいうものだと思って、慣れっこになっていました。一年中そうですが、夏は特にひどく、家の中はハエだらけでした。食事中は、食べ物に止まるハエを追い払いながら食べていました。ちなみに私は、素手でハエを捕まえる特技を持っています。パニック状態のハエでなければですが・・・。昔はそれは珍しい事ではなく、忘れましたが、誰かに教わったものです。今は室内に一匹でもハエが迷い込むとガマンがならず、ハエ叩きで仕留めるまで追い回します。特に治療院というのは、清潔感が求められます。現代人は、潔癖過ぎる観があります。そういう意味でも、人はもう、野生の生活には戻れないのでしょう。

  治療院というのは、比較的狭い空間に、大勢の人が長時間滞在します。時には、「人いきれ」で、空気も悪くなってきます。それは外から入って来た人の方が、如実に感じられます。女性患者さんの多いリラクゼーション院など、気を使っているでしょう。芳香剤を使い、それをカムフラージュする所と、消臭に徹する所に分かれるかと思います。ともすれば女性など、好みの香りは人それぞれに違うかも知れません。更衣室内などで、自分の香水の香りとヒト(他人)のそれが混ざるのを嫌うかも知れません。そして、気に入った香水を何時も使っているうちに、鼻の感覚がマヒしてくるのでしょうか、香水がキツく感じられる人が時々おられます。という事で、消臭に徹した方が無難と思われるかも知れません。20年程前、花粉症などのアレルギー疾患がテレビで話題に昇り始めた頃でした。時を同じくして、マイナスイオンというのも話題になりました。そんな折、カンキョーという会社製作の、「クリアベール」という空気清浄機が流行りました。一時は、どこの治療院にいっても置いてある程でした。紙の集塵フィルターを使っていて、モーターを使っていないのに、イオンの微風が吹いて来るのです。プラズマによる、オゾン発生装置だったと思います。オゾンというのは、殺菌作用があるので、空気の清浄効果を見越したものしょう。

  昔、別荘地デベロッパーのテレビCMで、美しい高原を背景に、「オゾンがいっぱい・・・」という宣伝文句が、コメントされていました。当時オゾンは健康に良いという振れ込みだったのです。後にそれが、いささか覆りました。オゾンに殺菌作用があるという事は、細菌の細胞膜を破壊するという事で、人体の細胞にも少なからず被害が及ぶというものです。オゾンを盛んに吸い込むと、咽喉や肺などの内皮細胞にダメージを受けるというものです。アメリカの同仕様の製品が、全米消費者団体のクレームを受けて裁判沙汰になり、販売中止に追い込まれました。しかしそれは、猛毒の殺虫剤DDTを作り世に送り出した、アメリカ人の社会通念とも思えません。蚊取り線香やノーマットなど、特異体質の人を除けば、蚊は殺しても人体に左程影響ないでしょう。考慮して、使いっぱなしにしなければ問題無いと思います。何よりも、汗臭い治療院に女性患者は来ません。アメリカは何でもありの訴訟社会で、金儲けのネタを探している人がゴマンといます。その最たるモノが、「ハンバーガー訴訟」でしょう。メーカーはその商品の処置に困ったのでしょう。日本のテレビ通販で、人気商品として盛んに売られました。アメリカでは、オゾン発生量を低く抑えた後継機を、製造販売している様です。

  私は開業当時、そのアメリカ製の商品が欲しくてたまりませんでした。造形がスマートで存在感がありました。しかし高価だったので、同機能の台湾製を購入しました。外見がチャチで気に入りませんでしたが、以外に高性能を発揮しました。弊院の受付カウンター上の花瓶にはカサブランカの切り花を生ける事が多いです。花が美しく、なお且つ長持ちするからです。ただ匂いは強烈で、18坪の院内いっぱいに毒々しい程の匂いが充満しました。それが、受付カウンター以外では、殆んど臭わなくなりました。これにはびっくりしました。そして、外から入ると、爽やかな香りが漂っていました。安っぽい形なので目立たない所に設置していましたが、耐用年数が短かく、二台まで買って止めました。その後は、ゴムの木を3鉢設置しています。観葉植物の葉から蒸発するミストには、マイナスイオンが含まれており、それが消臭と空気清浄効果があると聞いたからです。院内に緑があると視覚的に良いですが、その効果の程は実感していません。

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 '16/6月の特集
■マイナスイオンの実体
  先月、少し触れましたが、マイナスイオンに付いてです。20年ほど前(?)、雑誌やテレビなどで、「マイナスイオンが健康に良い・・・」と、盛んに取り上げられました。特に、フジテレビの「あるある大辞典」が、記憶に残っている方も多いでしょう。しかし、マイナスイオンというのは、実体のないモノだった様です。確かに、 塩素の陰イオン (CL‐)等と、元素とくっ付いたマイナスイオンは化学の時間に習った覚えがあります。しかし、マイナスイオン単体というのは不思議な感じがしました。番組の内容は、こういう事だったと思います。滝壺周辺に発生する細かい霧状の水蒸気には、多数のマイナスイオンが含まれている。そして、植物の葉から蒸発する水蒸気にもマイナスイオンが多く含まれている。それを吸い込む事は健康に良いというものでした。ですから、「森林浴」なる言葉が生まれました。実際、そういう気持ちに駆られた人が多かったと思います。そんな事から、マイナスイオン発生の家電製品が数多く発売されました。マイナスイオン発生のエアコン、マイナスイオン発生のヘアドライヤー、マイナスイオン発生の加湿器・・・等の数々です。とにかく、「マイナスイオン発生・・・」と歌ってあれば、商品は売れた時代です。

  マイナスイオン発生方法として、ミスト(霧)によるものと、プラズマによる物がありました。加湿器などは前者によるモノで、ヘアドライヤーなどは、後者でしょう。後に問題になったのは、プラズマによるマイナスイオン発生装置の方です。その際発生するのが、オゾンという、人体に被害を及ぼす活性酸素だからです。ちなみに、「あるある大辞典」では、別の時に、人体に発生する、活性酸素の問題についても触れていました。「あるある大辞典」は人気番組でしたが、確かヤラセ放送で中止に追い込まれた番組です。以前は、「テレビで言ってたから・・・」と言えば、説得力がありましたが、今では、「私はテレビを見ないので・・・」と言うのが、インテリの証しの様になってしまいました。私はNHKの長寿番組、「ためしてガッテン!」をよく見ています。気に入っているので、「ヤラセ」で、無くなって欲しくないと思います.
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 '16/7月の特集
■高血圧と、ナトリウム-カリウムポンプ
  太古の昔、最初に発生した生物は、遺伝情報と分裂繁殖機能を持った、単細胞の生命体でした。一個の細胞に、生命の機能が全て備わっていました。海から発生しましたので、必要な物は全て、海水から直接、摂り込んでいました。細胞膜を通じてです。やがて、その細胞の集合体である、多細胞の生命体に進化しました。個々の細胞は、内在する遺伝情報によって分裂分化を繰り返し命をツナイで来ました。同時に、細胞の集合体である私達人類も世代交代を繰り返し、命をツナいで来ました。

  細胞膜は、糖脂質など二重構造で成り立っており、膜外側は+(プラス)イオンに帯電しており、内側は-(マイナス)イオンに帯電しています。その電位差によって電流が生じ、それに共役して、物質の膜移動を可能にしています。イオン勾配と言います。そして、固有のイオンを通過させるゲートがあります。カリウムチャンネル・ナトリウムチャンネル・カルシウムチャンネル等といったイオン・チャンネルです。例えば、私達が摂取したグルコースやアミノ酸などが、小腸の内皮細胞から吸収される時、ナトリウムイオンと一緒に吸収されます。一方で、細胞内の過剰になったNa+を排出しています。それを担っているのが、「ナトリウム-カリウムポンプ(Na+/K+ポンプ)」というシステムです。つまり、余分なNa+を細胞外に、汲み出します。それによって、細胞内の生理食塩水の塩分濃度が保たれます。イオン勾配による膜移動に対して、エネルギーによって強制的に膜移動を行ないます。、そのエネルギー源は、ミトコンドリア由来のATPです。ナトリウム-カリウムポンプ(Na+/K+ポンプ)は、細胞膜外側からの二個のK+と、細胞内三個のNa+をATPを用いて交換します。その結果、細胞膜外側の+イオンが、膜内に比べて、差し引き一個多くなる計算になります。つまり、細胞膜外側の+イオン帯電状態も常に保たれ、イオン勾配も保たれます。

  以上の理由から、高血圧の人に良い食物は、カリウムを多く含んだ、トマトやレタス等の生野菜や果物です。何しろ、カリウム(K+)を摂取しないと、Na+と交換ができませんから・・・。又、高血圧に良くないのはナトリウム塩である事から、カリウム塩やマグネシウム塩なども含んだ天然塩の方が健康には良い訳です。近年は扱いやすい、サラサラの天然塩も販売される様になりました。ナトリウムが高血圧の人に良くないのは、水分を引き付けるからです。ナトリウムを多く含んだ血液によって水分が多くなれば、血管の容積がパンパンに膨らみます。つまり、血圧が上がるという事です。その結果、肩こりと一緒で、血管の筋肉が疲労コンパイし、動脈が硬化します。動脈が硬化すればその柔軟性を欠き、血圧が余計上がる・・・という悪循環です。カイロプラクティック療法の副交感神経へのアプローチは、血管を拡げます。

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 '16/8月の特集
■筋トレという事。何のために・・・?
  弊院には、急に始めた筋トレによる障害で、治療に見える人が時々おられます。大概は、太った中年のサラリーマンです。だらしなく太り過ぎの人もいれば、多少太めかな、という程度の人もいます。前者は健康診断の結果、運動を余儀なくされたモノでしょうし、運動は会社や医師からの急務でしょう。後者の方は、多少の美意識が絡むモノでしょう。ルネサンス期など、西洋の裸体画は多いです。西洋人の美意識でしょう。多くはギリシャ神話に基ずく、神々の宗教画です。人は神に似せて造られたと言われます。ですから、その元になる神の姿は、完璧なモノでなければなりません。男性の神は、戦いで鍛え上げられた様な筋骨隆々の体と、若さ溢れる容姿です。女神の場合も二十歳前後の、美しく健康的に痩せた容姿です。実際、モデルとなった人達はいたでしょうが、彼等の美は永遠ではありません。しかし、人生の短い期間に、神が降りてきた様な美しさがあったのでしょう。画家達は、そういう美しさに神の存在を見出し、絵画に残したのでしょう。

  いわゆる骨格筋は、脳の指令を受けて、骨を動かすための運動器です。運動神経も筋肉も、訓練で鍛えられます。元々は、生存競争に打ち勝つための筋力と俊敏性を備える目的であったに違いありません。訓練によって、運動神経も最寄の筋肉も共に連動して鍛えられます。一つの動作をするにしても、数種類の筋肉が連動して働きます。その互いの連動速度調節も必要です。そのバランスが崩れれば、一方の筋肉にムリがかかり、筋肉が破断するかも知れません。それらは、実際の訓練で身に付けるしかありません。要するに、ボールを正確に早く投げる為の筋肉は、ボールを投げて身に付けるしかありません。ジムなどの筋トレは基礎体力を付けるためには良いかも知れませんが、見た目だけの筋肉で、実際にスポーツに役立つ筋肉ではありません。それに伴った運動神経が備わっていなければ何にもなりません。ストレッチしない筋肉も、壊れやすい脆いものになってしまいます。張子の虎では、忽ち敵に倒されてしまいます。水泳などでは、役に立たない筋肉は、水の抵抗を増すだけでしょう。

  武道で強くなるには、毎日練習しても、10年位はかかります。その結果、筋肉も自信も付いて、実際に強そうに見えるでしょう。しかし、一般人には、そんな暇は中々ありませんし、持続力もありません。しかし、ジムで効率よく筋トレをすれば、手っ取り早く短期間で、一見強そうに見えるかも知れません。ボデイビルダーのグロテスクなまでの筋肉は、どう見ても異様です。思わず、笑ってしまいます。自己満足に走っている、としか思えません。外国では素人のボデイビルダーでも、ステロイドを使ったりするそうです。ですから、二の腕の太さがが、普通の人の太股程あったりします。しかし、シュワルツネッガーと小柄なグルカ兵と、どっちが強いでしょうか・・・?大体、アメリカ人はパフォーマンスと、見てくれ重視の国民性です。多民族国家で、言葉が通じない人もいる訳ですから、そうならざるを得ないのでしょう。かつて、ケネデイが大統領になれたのも、政策の中身というより、テレビ時代幕開けの、スタイリッシュなイメージ戦略でした。スーツの色や着こなしまで、アドバイスする人がいたのです。はつらつと元気そうに見えましたが、実際は戦争で負傷した背骨の古傷に、常に苦しんでいたそうです。アメリカの大統領は、カッコ悪いとなれないのです。

  日本では元々、男子は中肉中背が良しとされました。鋭利な日本刀は相手の体に当て、引いて斬る物です。腕力よりも、素早い体サバキや刀サバキが、勝敗を決したと思います。それに裸に近い程、身分の低い賎しい者達という事で、裸体美という観念はありませんでした。女性も、黒髪や顔立ちの美しさが、持てはやされたと思います。身長は、今程問題視されなかったと思います。逆に「大男、総身に知恵が回りかね・・・」等と揶揄(やゆ)されました。力士も「見せ物」という事で、身分は低かったのです。身分の低い人は、身分の高い人の前では膝ま付きました。顔を上げて、立ち並ぶ事などありませんでした。そして、戦場では騎上です。大体中身の無い人程、身長や外見に拘ります。それに劣等感や、ささやかな優越感を抱いたりします。一方、実力や経済力がある人は、自分の身長や容姿など一切気にしません。それでいて、次第に輝いて来ます。自分に自信があるからでしょう。

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 '16/9月の特集
■腰痛は、急性段階で治すべき
  どんな病気もそうですが、早期治療が大事です。腰痛もそうです。急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰ですが、激しい痛みを伴いますが治りは早いです。体に危機感をもたらし、警告を発しているのです。激しい痛みで身動き出来なくして、安静を保ち治そうとする体の仕組みです。そして一週間もすれば何事もなかった様に、けろっとしています。その急性の症状を、警告と受け取るか、「すぐ治る・・・」と受け取るかは、人様々です。そして、ややもすると慢性化を招きます。中には椎間板ヘルニアで弊院に見えた人にも、そういう人がいます。脚の痛みや痺れが酷い状態で弊院に辿り付いたにも拘わらず、10回程の治療できれいサッパリ症状が取れてしまうと、「又、治して貰えばいいや・・・」と、安心してしまうのでしょう。指示した再発予防措置を怠り、再発して戻って来る人がいます。場合によっては、次は手術しか、手段が残っていないかも知れないのです。

  痛みについて、少し触れてみたいと思います。症状は慢性化すると治り難くなります。しかし、そのまま激痛が続くのは大変苦しいです。そんな時、ある種の脳内麻薬等が分泌される等して体が順応して行くのでしょうか、慢性化すると、急性期ほどの激痛ではなくなります。又、ちょっと指先をケガした時などは結構いたいのですが、何針も縫うような大ケガをした時は、神経がマヒしているのか、殆んど痛みを感じない時があります。昔、戦争で片足を失くした人の話を聞いた事があります。「衝撃を受け、気が付いたら片足が失くなっていた・・・」と。そういえばテレビのドキュメンタリー番組で、ライオンの狩りの様子などが映し出される時があります。そんな時、鹿等の獲物がライオンに体を食いちぎられても、身動き一つしないで、じっとしている事があります。多分パニックになって、痛みを感じなくなっているのでしょう。そうでなければ、捕食される方は救われません。ちなみに、魚には痛点がないと、聞いた事があります。

  カイロプラクティック院なら、急性腰痛症の殆んどは、タクシーで来院した人でも歩いて帰れます。それが慢性化すると、やはり治り難くなります。自ずから、痛みを避けるような姿勢を保つ様になるので、姿勢が悪くなり、背骨が変形します。椎間板ヘルニア、変形性脊椎症や脊柱管狭窄などに移行しかねません。そういう意味で、長年肉体労働に従事した人達は、完全な腰痛改善は無理かも知れません。肉体労働は、職種によって、体の片寄った使い方をします。部分的に関節を酷使し消耗ます。引退後は、鍼灸などで、なんとか無難に過ごすしか、方法は無くなるかも知れません。極度の肥満の人も、整形学的にはそれに近いですが、むしろ循環器系の方が問題でしょう。しかし、大方のサラリーマンの方などは、忙しさにかまけて運動不足になり、姿勢の悪さと共に、筋力不足のせいで腰痛になっているのです。カイロプラクティック療法で姿勢を正し、通勤の帰りに一駅区間歩などすれば、終生、整形外科的な腰痛は回避出来るでしょう。

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 '16/10月の特集
■経験則から出来た療法
  経験則だけで成り立っているような医療(?)では、はっきり言って限界があります。汎用性が狭いからです。やはり、学問として成り立っていることが重要です。つまり、明確な哲学があるという事です。多くの人がその知識を共有する事で、進歩発展性があります。カイロプラクティック療法の理論は、単純明快です。「正しい姿勢は健康に良い。」という考え方です。つまり、機能的な骨格です。それに付随した、正しい筋肉の付き方と神経の流れです。地震などで傾いた建物を、そのまま補修しても力学的にムリがあります。正しい状態に戻してから補修した方が合理的です。経験則と言えば、カイロプラクティックも、一つの偶発的な経験から始まったと言われています。つまり、創始者の使用人の背骨の出っ張りを押して、元の位置に(?)戻した所、使用人の耳がきこえるようになった・・・というものです。その創始者ダニエル・パーマーは雑貨商で、電気療法師を兼ねていたという事です。今、整骨院などで行なわれている、いわゆる物理療法というモノででしょう。彼は医師ではないので、医学的知識は少なかったかも知れません。それが逆に幸いして、「カイロプラクティック理論」という、大胆な発想に到ったのではないかと考えられます。つまり、背骨の歪みに着目したという点です、

  ですからカイロプラクティックは当初、治療ではなく単なる手技であって、その効果は結果的にもたらされたモノに過ぎなかったのです。それを解剖学をベースに医療として確立したのが、子息のB・Jパーマーという事です。そして、後継者達が研鑽を重ね、今日のカイロプラクティック療法に到りました。日本に於ける、経験則から生まれた医療としては、武道系の活法があります。柔道整復や古武術系の整体がそうです。激しい稽古をする中で起きる、ケガの修復を通じて生まれた施術です。東大卒のインテリで、柔道創設者の加納治五郎という人は、政治力があったので、国家資格の医療として、柔道整復を公認させました。しかし、他の古武道系柔術は政治力が無く、その限りではありませんでした。危険な関節技を禁止して、スポーツとして発展した柔道ですが、反面、失われた施術も多く、それらは古武道系整体に生き残っています。いわゆる、ぎっくり腰を一発で治した・・・等というのが、それです。少ない力と体サバキで、相手を投げ飛ばす古武道系は、相変わらず関節技が多いからです。国民健康保険制度がなかった昔は、貧乏人は医者にかかれませんでした。そんな時、骨折や脱臼・捻挫、ぎっくり腰等の人達は、割安な、「骨継ぎ」に頼ったという事です。

  全国で10校にも満たなかったという、柔道整復整師養成校に入学するためには、柔道の有段者で、しかも推薦が必要だったといいます。長年の柔道経験で培った、関節の知識や技術も確かで、中には、レントゲンを備えている所もあったそうです。かつて、スポーツ・トレーナーと言えば接骨医でした。読売巨人軍V9時代の選手達を支えた、トレーナーの吉田接骨医は有名でした。現在の整骨院で盛んに行なわれている、マッサージなど一切しませんでした。それでも、接骨院は繁盛し、接骨医は外車に乗っていたという話で、開業医より儲かったという話もあります。厚生省(当時)は、接骨医を増やさない方針だったのに対し、20年近く前、一部学校法人のごり押しがキッカケで、養成校が一挙10倍程に増えました。今では無試験入学状態になり学力・技量は落ち、自分で自分達自身の、首を絞める結果になってしまったのです。現在では、街中に整骨院はあふれています。骨継ぎ業務自体も制限され、保険不正請求が問題視されています。鍼灸やマッサージは、医師が必要と認めた場合のみ、保険治療が可能になります。整骨院も早晩、そうなるでしょう。さぞかし故・加納治五郎氏は、せっかく勝ち取ってやった既得権益を守れなかった、後輩達を嘆いているでしょう。
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 '16/11月の特集
■例えば、椎間板ヘルニアの治療日程
  どんな病気の治療もそうですが、治療計画は重要です。弊院では問診・検査の後、その患者さんに合った治療法を選択し、大よその治療計画を提示します。そして、その時点での治療日程を組みます。その後、症状の経過によって多少の変更はあるにしても、おおむね当初の計画通りに進行します。それを患者さんの了承の下に治療に入ります。その合意が得られない場合は、治療を断念せざるを得ません。弊院としては、必要な治療日程を確保しなければなりません。その代わり、多少遅い時間帯の治療にも対応しています。その
治療日程を、ご自分の都合で決めたがる患者さんがいます。治療日程は、素人の患者さんが決めるモノでなく、当然、治療師側が決めるべきモノです。その治療計画によって、治療期間や治療のペース配分も随分違って来ます。特に大事なのは、初期治療の段階です。

  初期治療の段階では、腕や脚の痺れや痛みなど、症状が強いです。ヘルニア周囲の炎症がひどいからです。その炎症を取るための施術を行ないます。つまり、患部に対する圧迫を軽減するという事です。そうしますと、体(の自然治癒力)が、患部の炎症を治す作業をします。カイロプラクターは、自然治癒力が発揮できる体の環境を整えていきます。ですから、症状の重い初期段階は、短期間に施術を集中し、その効果を高めます。その期間に治療間隔を開け過ぎると、せっかく軽くなった症状が戻ってしまう事になってしまいます。患者さんの都合で、間隔が開いてしまう事があります。どうしても必要な用事なら仕方ありませんが、野暮用などは困ります。患者さんも、症状が戻ると焦るようで、それ以降はサスガに自粛されます。手術したくないので弊院の治療を選んだ以上は、極力、弊院の指示に従っていただきます。そして、ご自宅では入院したつもりで過ごしてくださいと、注文を付けています。

 椎間板ヘルニアの場合は約十回で、再発予防指導を含め、二箇月近くかけて治療しています。その治療回数の半分位は、二週間程で消費します。その後は、症状が戻らない様にコントロールしながら治療間隔を開けていきます。頃合いを見計らって、運動療法を開始していただきます。そして、その結果を治療に反映していく・・・といった、スケジュールに変わっていきます。要するに、私と患者さんで共に治していくのです。最後は、再発予防の運動等をご指導して、終了となります。それを守って実行なされば、再発しません。十年以上前と比べ、治療日程も随分短縮出来ています。

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 '16/12月の特集
■頚椎症予防の一端、アゴを引く
  いつも上を向いて作業をする人達は、頚椎を痛めやすいです。例えば野鳥の観察や撮影などで、樹上を長時間見つめている人や、天井の張替え作業をする内装屋さん等です。症状の発端としては、いつもの様に顔を上に向けた瞬間に、首にギクッと痛みが走ります。それを頻繁に繰り返している内に、症状は慢性化します。それを防止しようとしたのでしょうか、昔ルネサンス期など、教会の天井に宗教画を描いていた画家達がいました。ミケランジェロやダ・ビンチなどです。彼等は、天井近くまで木材でヤグラを組み、仰向けに寝転んだ姿勢で描いていた様です。さぞかし、顔などが絵の具だらけになったでしょう。絵の具には、有毒なモノもありますから・・・。

  メガネがずり落ちて、アゴが上がっている人を時々見かけます。やはりメガネをかけて、背中を丸めてパソコンを打っている人もよく見かけます。そんな時、メガネの鼻当て部分が、汗で滑ってずり落ちます。遠近両用メガネで、遠視部分で壁の貼り紙を見る時でも、アゴを上に上げないと見難いかも知れません。背中を丸めて歩いているお婆さんなど、顔を前に突き出して、体より顔が先に行っているのを見かけます。背中が丸く前のめりの姿勢で前方を見るためには、アゴを突き出さなければ顔が起きません。それは頚椎に決して良くありません。いつの間にか、そういう姿勢が習慣になって、固定してしまったのでしょう。いきなり、顔が電柱などに衝突するのではないかと、気になります。又、アゴを引いて二重アゴになるのを嫌って、アゴを上げている女性もいるかも知れません。

  よく、ストレートネックは良くない、首や肩コリの原因にもなって良くないと言われます。力学的に、頭の重さをうまく吸収する形になっていないからです。健康な頚椎というのは、レントゲンで横方向から診た時、頚椎は前方にカーブしています。それを「頚椎の前弯」と言います。首をいつも反らしていれば、頚椎にカーブが出来て良い様に思いますが、そうではありません。天井などに顔を向けている時は、頚椎全体がカーブしている訳ではなく、頚椎の最上部だけが後方に折れているだけなのです。それに頚椎後弯が加わると、構造上の状況は余計悪くなります。そして、諸症状となって表れます。構造上のストレスや老化によって、変形性頚椎症になると、腕や指先に痺れや痛みなどの麻痺が出ます。

  これら頚椎の症状は、カイロプラクティック療法によって、容易に改善されます。そのテクニックがあるからです。そして、その再発予防策もご教えてくれる筈です。

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 '17/1月の特集
■治療をすぐ止めてしまう患者さん
  重症の椎間板ヘルニアで、手術がイヤで弊院に辿り付いた様な方は、治るまで来院されます。しかし、中には一・二回で来なくなる患者さんおられます。治療後、次の来院日を提示します。その際、「予定が立たないので・・・」と、暗に治療を止めたい様子の患者さんがおられます。患者さんのご意思ですので仕方がありません。ムリに続行はお薦めしていません。弊院としては、予約をすっぽかされるよりはマシだからです。以前は、多くの治療院がやっているように、極端な初回料金・割引を設けた事もありました。弊院の治療を経験していただいて、宜しかったら治るまで続けてください・・・という意味合いがありました。そしてついつい、精一杯サービスしたりしました。すると、喜んでくれます。しかし、大抵は一回こっきりです。その安さで、一回こっきりが増えます。そこそこの技術で激安だったら、こんなに得な事はありません。結局、ダンピングの連続というカンジでした。すると時々、「お試しコースはやってませんか?」と言って見える人がいます。「やってませんが・・・」と伝えると、「それじゃ、止めます。」と言って帰られます。

  どうやら、「お試しコース」だけを渡り歩く人の様です。その中には、高収入の(?)歯科の女医さんという人もいて、驚きました。結局、治療費の安さ主体で来られる患者さんを治療するのは止めました。マッサージ院なども原則、保険は利きません。医師が診断して必要と認めた場合のみ、保険が適応されます。マッサージ院には、独自で保険診療の裁量権がないのです。ですから、直接マッサージ院に行った場合は、治療費¥5,000位(と初診料)を支払う事になります。聞けば整骨院ですと、¥500でマッサージと電気治療が受けられるという話です。整骨院には、それが適応するかどうかは別にして、保険請求権を持っているのです。ですから、安さでは到底、叶いません。年金暮らしのお年寄り達は、仕事をしていないので、膝痛など治らなくても悪化しなければいいという感じで、当然保険治療に行く事になります。整形外科ですと、3分診断と在り来たりの投薬だけで、何もしてくれません。整骨院ですと、マッサージと電気療法もやってくれます。当然の如く、膝の悪いお年寄り達は、乳母車状のモノを押しながらも整骨院に押し寄せます。年金暮らしのお年寄り達が、生活防衛のために、そう考えるのは当然の事かも知れません。

  よく言われる「リーズナブル」というのは、価格が安いという意味ではありません。「適正価格」という意味です。弊院は、お金は掛かっても、本当に治したい方で、弊院を頼って来られた人だけ、丁寧に治療する事にしています。実際、速やかに治して働かなければならない人達ばかりです。一・二回で来なくなる患者さんの中には、続けられれば治るのに・・・・と思われる患者さんもおられます。問診で伺った限りでは、それまで整形外科や整骨院に数多く通われたにも拘わらず、弊院ですと早計に通院を止められるのです。自由診療に関しては、初回から劇的改善が診られなければ、納得されない様です。経済的理由も、あるかも知れません。ですから前述の様に、敢えて続行をお薦めしません。しかし、短期間に治して再発予防法もお教えしていますから、結果的に見れば、経済的にも損する事はないと思います。ただし、その再発予防の運動などを、確実に実行なさる事が前提になります。重症で悩んだ方ほど、真面目に実行されます。そして、重症だった方ほど、治った事に喜んでくださいます。

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 '17/2月の特集
■自然治癒力と免疫機能
  自然界の生物、全てに自然治癒力が備わっています。その中で、重要な役割りを果たすのが、免疫機能です。免疫とは疫病を免れるためのシステムと言う意味です。さらに疫病とは、病原菌等による、伝染性の病気、つまり伝染病です。風邪や麻疹(はしか)、結核などです。太古の昔から、私達を悩ませてきた強敵です。免疫には、生まれながらに持っている物を「自然免疫」と言います。生まれながらにして持っているという事は、私達が生まれる前の、祖先達から受け継いだ物という事です。ですから、太古の昔から生命の営みとして、病原菌と戦って来た証しです。又、私達自身が病原菌に感染し、その抵抗力として後天的に身に付けた、「獲得免疫」という物があります。いずれも、抗体として私達の体に備わっています。免疫細胞は血液と一緒で、骨髄で造られます。主な物に、T細胞やB細胞があります。T細胞は、その前駆体が、胸腺に入り、そこで造られます。前駆体というのは、その物質に化学反応する前の物質ということです。例えば、ビタミンAの前駆体はカロチンです。心臓横に存在する胸腺は、思春期前後で最盛期に入り、その後次第に衰退します。胸腺で造られたT細胞は、血液循環と共に全身に分布して行きます。

  T細胞の役目は、自分と自分以外のモノかを見分けます。例えば、病原菌は自分以外の生命体です。そして、自分に有害なモノ、つまり異物として判断し、それを排除するために、B細胞に攻撃するように指令を出します。B細胞は抗体を造り、更にそのクローンを沢山造って、その異物をやっつけます。その異物は免疫細胞に、抗体を形成出現させる物質という意味で、抗原と呼ばれます。そしてそのシステムを、「抗原・抗体反応」と言います。T細胞は軍隊の司令官で、B細胞は実戦部隊といった役割りです。そして死滅した異物や抗体は、白血球やマクロファージによって処理し掃除されます。その処理した際の抗原の情報を、T細胞に提示します。それが、新たな指令を出すための情報源になります。自分と自分以外を区別する意味で、決定的に違うのは何でしょう・・・。それは遺伝情報です。自分の遺伝情報と病原菌の遺伝情報は明らかに違います。一方、癌細胞は自分由来の細胞から分裂した細胞です。しかし、癌細胞は、間違ってコピーした遺伝情報を持つ細胞です。そして、それが増殖したモノです。私達が生まれながらに持つ、自然免疫由来のナチュラルキラー細胞は、それをT細胞情報とは別個に、正常な細胞と違うモノと判断し、つまり異物として退治しているのです。

   私達の細胞が分裂や分化する時、遺伝情報としてのDNA分子も、それぞれにコピーされます。ちなみに、ケガや火傷の後は新しい皮膚を再生させるために、細胞分裂が盛んに成ります。当然の如く、DNAのコピー・エラーが出易くなります。そして、「癌年齢」と言われる程に、加齢によってそれが加速されます。熱々の味噌ラーメン等、好きな人も多いでしょう。気が付けば、食道の内皮細胞が火傷しているかも知れません。自ずと、食道癌に成り易くなります。その際も、発病を防ぐために、ナチュラルキラー細胞が懸命に、生まれたての癌細胞を退治している筈です。いわゆる、自然治癒力です。免疫力アップのためには、免疫細胞が元気で働けなければなりません。それには、副交感神経が活性化していなければなりません。充分な休養と健康な内臓が必要です。カイロプラクティック療法による自律神経へのアプローチは、その環境を整えます。

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 '17/3月の特集
■ダイエットしてください
  弊院には、太り過ぎのために、腰痛や膝痛になっている患者さんがよく見えます。と言うより、一旦腰痛になったら、それを再発させないためには、減量が必要だという意味です。膝痛になると、運動が出来ないので、中々減量出来ません。そのストレス解消ののためにヤケ食い、胃腸だけは大丈夫なんでしょうネ・・・。しかし、体重は減らさないとイケない。となると、やっぱり食事制限しかないんです。ヒトは、「私は全然食べてないんです。水を飲んだだけでも、太る体質なんです。」と、おっしゃる。ウソです。かの、「アウシュビッツ」を見れば解ります。そこまで苦労しないまでも、なるべくラクして痩せる方法を考えてみましょう。

  中性脂肪の元になる糖質は、エネルギー源です。ですから、エネルギーとして必要な分だけ摂取すればいいのです。朝食と昼食は、働く訳ですから、しっかり食べれば良いと思います。朝は殆んどトーストにコーヒーで昼は軽食とかにするから、夕食は空腹に任せて、ガツガツ食べてしまうのではないでしょうか・・・。ちなみにお相撲さんは朝起きると、食事の前に激しい稽古をします。そして極度の空腹状態を作ってから思いっきり食べます。おまけに、その後はお昼寝です。空腹の飢餓状態の後は、エネルギー源の中性脂肪を沢山貯め込もうとします。飢える事が多かった太古の祖先達からの、生きるための知恵です。それをDNAに刻み込んできたのでしょう。飽食の現在、それがアダとなっているのです。ですから、飢餓状態を作らない様にすれば良いかも知れません。減量したければ夕食は早めに、少なめにすれば良いでしょう。そうすれば、朝食は美味しく食べられ、午前中の活力になります。アタマも充分働きます。そして、肥満には大敵の、便秘解消につながります。昼食とて一緒です。食欲は、三大本能の一つです。考えますに、飢えて死ぬのが、一番みじめで苦しいかも知れません。つい、「ダイエットは明日からにしよう・・・。」と、決心も延び延びになってしまいます。

  一人暮らしですと、ダイエットは割りに簡単な様に思えます。ご飯は決まった量を炊きますので、それを食べ終わったら、もうありません。おかずも同様です。それに、意思の弱い人は、食料をやたらと買い込まない方が良いと思います。あれば、つい食べたくもなります。食事はしっかり摂って、間食はしない事です。テレビを見ながら食べるのが一番良くない。いつの間にか、スナック菓子一袋食べきってしまいます。食材も、低カロリーのモノを選んではどうでしょう・・・。コンニャク、きのこ、海草などです。エリンギは豚肉の生姜焼き等に混ぜれば、食感は「肉」です。気兼ねなく、お腹いっぱい食べられるでしょう。又、調理法も工夫されたら良いでしょう。いわゆる、「油少な目の、ダイエット・レシピ」など、いかがでしょうか・・・?

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 '17/4月の特集
■進化と奇形?突然変異
  私達人類は、進化し続けていると思います。世代交代と共に、少しずつ変化して行きます。両親からDNAを受け継いで生まれた時、DNAが混ざる事で、DNAが変化するでしょう。その個体が環境に適応出来れば生き残り、次の世代に命をつなぐ事が出来るでしょう。そんな中で突然、DNAの大幅なコピー・ミスが起こり、奇形が生まれるかも知れません。しかし、生命力があれば生き残るでしょう。欠点を有したモノが奇形であって、そうでないモノは、突然変異でしょうか・・・。何が欠点かは、一概に言えないかも知れません。欠点と思える事がプラスの現象だったりするからです。そして突然変異は、DNAに著しい変化をもたらすでしょう。太古の昔から殆んど形態の変わらない生物がいますし、著しい形態の変化を遂げた生物もいます。DNAがほぼ正確に受け継いだ生物は、あまり変化しないかも知れません。外的要因を受け易く、DNAが大きく影響を受ければ、どんどん変化したでしょう。私達人類もこの中に入るかも知れません。

  私達の祖先達は、樹木にぶら下がる等の腕力が落ちて、樹上で暮らせなくなってしまったのかも知れません。足も変形して、足で枝を掴む事は出来なくなったかも知れません。あるいは、他の種と、樹上の食料を巡る勢力争いに負けて、そこから撤退したのかも知れません。そして、それらが複合したかも知れません。樹上生活のままでであったら、それらは致命的でしょう。樹上生活としての足は退化しても、歩くための足としては進化に当たるかも知れません。DNAの変化が、環境に拒否されたと言えるかも知れません。ですから、平原に降りて生活をせざるを得なくなったのかも知れません。樹上生活に見事に適応したオランウータン達は、今でも猿のまま無事に生き残り、一方、樹上生活から落伍した私達の祖先達は、図らずも、猛獣が多く、隠れ場所の少ない平原で暮らすしか、なかったのかも知れません。そこで生き残る術(すべ)を、身に付けざるを得なかったのかも知れません。そして、他の個体がそれをマネて学習したかも知れません。そういうものだけが命をつなぐ事が出来たのでしょう。それを身に付けられなかった者達は死滅し、子孫を残す事が出来なかったでしょう。結果として、生き残ったモノの子孫が私達と言えるかも知れません。そういった知恵が気の遠くなる様な長期間に集積して、文明という形で表れたと思います。

  猿は猿なりに、蟻塚に木の枝を差込み、「蟻釣り」などをします。しかし彼等は、それに甘んじ、発展させる知恵がなかった。つまり、応用する学門を持っていなかった。ちなみに、同じ人類でも、ネアンデアタール人の石器は、改良の跡が見られないといいます。私達人類の資質・能力は、原始時代から殆んど変わらないと思います。つまり、大脳のハード面です。しかし、現在の発達した文明をもたらしたモノは、学門的思考でしょう。学門的論理思考は、脳内に回路を巡らし、脳の機能を発展させます。いわゆる、コンピューターに於けるソフト面です。よく、ユダヤ民族の頭脳の優秀さが語られます。ユダヤ人と言う定義は、ユダヤ教徒の女性から生まれた人を、ユダヤ人と言うそうです。しかし、中東に端を発したユダヤ人固有の人種的なものは、多くの人種によって薄められ、殆んどありません。では何故、彼等は世界に冠たる優秀な頭脳を有する人が多いのでしょうか・・・?それは、幼い頃から毎日(?)ユダヤ教の旧約聖書を学習する、頭脳の訓練によってもたらされたという事です。大事なのは、学習を始める年齢なのでしょうか。算盤の暗算をする小学生の能力など、スゴイです。
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 '17/5月の特集
■うつ病の運動療法
  うつ病の原因の一つに、神経伝達物質の減少があると言われます。「神経伝達物質」とは、何でしょうか・・・。私達の体の末端から、知覚神経を通して情報が脳に送られます。そして、それを解析し、末端の筋肉に指令を出します。それぞれ、大脳の知覚野・運動野と言わる部分の働きです。大脳・運動野から末端の筋肉まで、一本の導線(神経線維)で送られるのではありません。神経細胞は、細胞体と神経線維で構成されています。細胞体は、DNAを内在する核を持つ本体で、神経線維は情報を伝達する導線部分です。そのユニットを、「シナプス」と言います。中枢の大脳から末端の筋肉まで、幾つものシナプスを乗り換えて、情報の伝達が行なわれます。そのシナプスとシナプスのつなぎ目には、僅かながら隙間が開いています。その隙間を埋めて情報を伝達するモノが神経伝達物質と言われるモノです。

  シナプス間の一方から、化学物質を放出し、他方で受け取っています。その意味する所から、ケミカル・メディエーターと言われます。うつ病と言うのは、その化学伝達物質の放出量が、減少するため起こると言われています。その結果として、自律神経に異常を来し、自律神経支配の内蔵の筋肉が正常に機能しなくなります。食欲も体調も悪化します。ですから、うつ病の治療には、その化学物質を補うための医薬品が処方されます。他方、体調不良による運動不足が、うつ病悪化に拍車をかけます。私達が運動しますと、必要性に迫られて、知覚神経・運動神経、共にその流れが活発になります。そしてシナプス間の神経伝達物質の交換も当然、活発に行なわれます。つまり、運動によって、神経の流れが改善される訳です。神経の流れが改善されれば自律神経の働きも活発になり、食欲も体調も改善され、つまり、うつ症状が改善される訳です。うつ症状というのは、うつ病の人に表れる体の症状です。ですから、対策としての、うつ病における運動療法です。

  それには、患者さんご自身に応じた適度の運動です。過度の運動で疲労が重なると、自律神経は乱れ食欲は減退し、結果として、必要な神経伝達物質が生成されません。過度の仕事によるストレスは、うつ病の発症用件の一つだからです。ですから当初は、公園のベンチに腰かけて、新鮮な空気を吸うだけでも良いでしょう。それでも、呼吸中枢の神経が働いている訳です。そして徐々に、散歩やウォーキングなどに移行したら良いでしょう。私達の祖先達は、いつも体を動かし、汗をかきながら生活して来たと思います。動いてこそ、健康を命を、保つ事が出来たと思います。そういう風に、進化して来たのです。身も心もです。

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 '17/6月の特集
ゴルファーと椎間板ヘルニア
  プロゴルファーの宮里藍選手が、引退宣言をしました。原因は、椎間板ヘルニアのようです。タイガー・ウッズや石川遼選手も、椎間板ヘルニアでしょう。つまり、椎間板ヘルニアは、ゴルファー達の職業病です。ゴルファーの職業病としては、他にも五十肩・股関節痛・膝痛等があります。

  椎間板というのは、椎骨と椎骨の間にある板、と言う意味です。円板状になっていて、水分を含んだスポンジ状で、上からの圧を吸収します。その水平断面は、バウムクーヘンの様に、軟骨が渦巻状に巻いています。中心部に、やはり上からの圧に耐え得るボール状の隋核(ずいかく)というモノが納まっています。ゴルフは往々にして、一方向だけに体を捻るスポーツです。背骨を頻繁に捻ると、そのストレスで椎間板に裂け目が生じます。そうしますと、その裂け目から、隋核の形が崩れたモノが、外側に押し出されてきます。そしてその周りの炎症によって容積が大きくなると、それが神経を刺激して、腕や脚に麻痺の症状が出ます。腰椎は構造上、前・後屈の機能ですが、多少のガタツキがあるために、多少の回旋にも対応しています。しかし、頻繁の回転はムリがあります。頚椎に於いては、頭を残し、首から下を頻繁に回旋しているという事は、首を何時もその逆向きに回旋しているのと同じ事です。又、下部頚椎も腰椎同様に、回旋機能は少ないために、頻繁に回旋すると椎間板にムリがかかり、頚椎ヘルニアを発症します。ちなみに、首の回旋の半分以上を担っているのが、頚椎の一番上の環椎(かんつい)という骨です。環椎には、椎間板がありません。

  ゴルフは、元々イギリスの牧場で発祥したと言われています。イギリスの中産階級・ブルジョアジー達は、殆んどエリートの登竜門・パブリックスクールの卒業生達で、文武両道、スポーツに慣れ親しんだ人達です。しかし、大金持ちなので、肉体労働とは無縁の人達です。そこで、牧場の、ウサギの穴にスティックでボールを入れたのがその始まりとされています。つまり、クリケット等と共に、金持ちの道楽と運動不足解消が目的でした。ですから道具も服装にも凝り、ゴルフは金持ちのスポーツと言われる所以です。彼等は重いゴルフ・バッグを自ら持ち運んだりはしません。それは、召使いや従者の役目です。ですから、牧童達とは、全く無縁のスポーツです。つまりゴルフは、階級社会と言われたイギリスを如実に物語るスポーツと言えます。日本に於いても、戦前は自家用車を持つ人達のスポーツでした。そして高度成長期直後の一億総中流意識の中で、憧れのスポーツとして、サラリーマン達の間に広まったモノです。一時期の日曜日は、テレビを付ければゴルフ番組ばかり、というカンジでした。

  そんな中で、宮里藍や石川遼選手など早咲きの選手達は、たちまち人気者になり、有名になりましたが、何時の間にか名前も聞かなくなってしまいます。練習量の多いプロゴルファーだけでなく、アマチュアのゴルファー達にも椎間板ヘルニアは多発します。特に以前多かった、接待ゴルフ等によるものです。アマチュアのゴルファー達の場合は、体の使い方の不合理性もあるでしょう。つまり、スウイング等の基本が出来ていないという事です。コントロールよりも、思いっきりゴルフクラブを振り回し、ボールを遠くに飛ばしたいという気持に駆られるのかも知れません。弊院に見えた患者さんの中には、大手食品会社の人で、重役になってから、接待のためにゴルフをはじめたという人もいました。長時間に渡ってプレイしながら、打ち解けて話す機会も多いので、ゴルフは接待には向いていると言っていました。その後、不況下の経費節減のためか、接待ゴルフは流行らなくなりました。

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 '17/7月の特集
■足の臭いが気になる方
  足の臭いや加齢臭が気になる方も多いと思います。オーデコロンを使ったりすると逆効果で、それらが混ざって発する匂いは更にひどいモノになります。それこそが、正に加齢臭的です。足の臭いは、雑菌によるものです。風呂に入ってきれいに洗ったつもりでも、暫くするとジワーツと、臭ってきます。雑菌が洗い切れていないためでしょう。その細菌が、たちまち増殖するからです。足の臭いは、オジサンの証明のように言われます。メタボや自律神経のアンバランスによる発汗量の増加もあるでしょう。そして何よりも、一日中、汗の吸収し難い化繊の靴下を、履いているせいもあるでしょう。治療をやっていますと、水虫と共に、とても気になります。若い女性の患者さんなどは、事前に洗って来られるのか、それとも普段のケアをしておられるのか、めったに臭いません。雑菌の住み家の多くは汗腺のある毛穴でしょうが、爪の間も多いでしょうし、爪の間は余計洗い切れません。切った爪の臭いを嗅いでみると、とても臭いです。臭いをなるべく少なくするためには、マメに爪を切る事でしょうが、切り過ぎると、巻き爪の被害に悩む事になります。

  足の臭いの効果的な対策としては、一つには、靴下の洗濯でしょう。やはり、殺菌や抗菌作用のある洗剤を使う事です。つまり、靴下の方に付着した細菌を取り除く事でしょう。それで、靴下内の環境を清潔に保ちます。その結果、菌の棲み難い環境にしてやります。そのためには、酸素系漂白剤入りの洗剤を使うのが、最も手軽で効果的でしょう。漂白剤には、殺菌作用があります。ちなみに、酸素系漂白剤入りの洗剤は染料は漂白しないで、皮脂汚れだけを漂白するので、漬け置きをしなければ、色柄物にも便利です。脱いだ靴下が臭う事はありません。そして、靴など履物が臭う事もありません。私は、生成りのシャツやズボンがなどが多いのですが、酸素系漂白剤入りの「ニュービーズ」専門です。そして必ず、洗濯ネットを使っています。今の時代、洗濯で生地が傷むほど着る人はいません。むしろ、汚れている方が、生地は傷むと言います。私は、すすぎが簡単なように、洗剤は少な目に使っていますが、それでも効果は充分です。又、洗濯物を部屋星乾しする場合でも、あの独特の臭いがありません。

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 '17/8月の特集
■認知症と脳神経細胞
 
最近、テレビで認知症が話題になります。高齢化社会が進む中、避けられない問題です。元々何十億個もあった脳細胞が、日に日に10万個ずつ死滅して減っていると言われます。脳細胞というのは、正確に言うと「脳神経細胞」です。脳は、神経細胞が濃密に集まっているだけ(?)なのです。その部位によって、機能の役割りが違います。神経細胞には、細胞体と神経繊維がセットになっていて、それを「シナプス」と言います。細胞体は機能を司る所で、神経繊維は情報の伝達をする導線部分です。大脳皮質は細胞体だけが集まった所で、断面の色具合から、灰白質(かいはくしつ)と言われます。情報を解析し指令を出します。その役割を担っている細胞が、日々10万個ずつ死滅して減って行くとなると、恐ろしくなります。おまけに、ビール一杯で80万個の脳細胞が死滅すると言いますから、歳を取るとモノ忘れが激しくなり、酒を飲む人程、それがひどくなるのは当然でしょう。「度忘れ」程度ですと、記憶が上手く取り出せないだけなので、すぐに思い出せるのですが、年齢と共にその頻度が多くなって来ます。そして、何を思い出したかった事さえ、忘れてしまったりします。用事で二階に駆け上がったものの、「何のために来たんだっけ・・・?」という事になりかねません。よく言われる事に、昨晩食べたオカズは忘れても問題はありませんが、食べた事事態を忘れるのは、認知症だと言う事です。

  脳の活動・機能は、健康状態によっても差異があり、違うようです。大病したり、例えばうつ病発症時など、一時期に、認知機能が衰えたりします。私の母は71歳で認知症を患った末、事故で亡くなりましたが、40歳の頃、胃に穴が開いて長期入院した時がありました。その際、一時的に認知症状態になりました。しかし、それが回復した後は、正常な状態に戻りました。心身の苦しささから逃れるための、安全弁としての脳の機能があるのかも知れません。高齢になってからの認知症も、死の苦しみから逃れるための脳の機能として、備わっているのかも知れません。認知症とはいかないまでも、人はある程度忘れる事によって、悲しみや苦しみを乗り越えて来た面もあるでしょう。若い時は身も心も繊細ですが、歳を経るに従って、悠然と構え、物事に動じなくなって来ます。それは、豊富な経験による慣れもあるかも知れませんが、思考力低下の面もあるかも知れません。若い時は感受性に優れ、ともすれば性急に結論に走ってしまいます。そのフットワークが活かされるスポーツや仕事もあるでしょう。しかし、そのことによる失敗も重ねるかも知れません。それが年齢を経るに従って、即断を避けて結論を出す様になるかも知れません。

  人はある意味、都合が悪い事は考えない様にして、誤魔化して生きています。そして、結論は先送りします。ともすれば、私達のアタマの中は、情報で一杯です。それが心身に影響を与えます。相反する情報で悩みます。立場、見方を変えれば、どちらも正論だったりします。そうなると、余計悩みます。答えに窮し、それがストレスになるでしょう。そこで必要な事は、情報を整理し、心に余裕を持たせる事でしょう。それには、一日一回、アタマの中を空っぽにする事です。いわゆる、瞑想法です。

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 '17/9月の特集
■腰椎ヘルニアと、似て非なるモノ
  脚の痛みには、いろいろな原因が考えられます。多くは、中高年の生活習慣病による合併症です。しかし、椎間板ヘルニアを含めて、比較的若い人が掛かる症状に、ミネラル不足による脚の痺れや痛みがあります。ミネラルは微量元素ですが、細胞の活動には不可欠なモノです。私達の遠い祖先である、太古の生物達は海に発生しました。単細胞故に、海水から直接、細胞膜を通してミネラルを取り込んでいました。陸に上がった私達は、食べ物で摂らなければならなくなりました。ともすれば、偏食により不足しがちです。血中のマグネシウムが不足しますと、激しい痛みに襲われます。とくに昼間、激しく運動した時など、夜中の就寝中に筋肉の痙攣が起きて、激しい痛みに襲われます。ふくらはぎ等が硬くなり、涙が出るくらい痛いです。そんな時はベッドから飛び起きて立ち上がり、筋肉を延ばすと、症状がだんだん薄れて来ます。その後は、そうっと寝ないと、そして寝方が悪いと、痛みが再び襲ってきます。そして、その痛みが2・3日残る場合もあります。そうなると、椎間板ヘルニアと紛らわしいです。

  「これが噂に聞く、椎間板ヘルニアかな・・・。」と、思ったりします。しかし暫くするうちに、何の症状の無くなります。椎間板ヘルニアの場合は、そんなに簡単に痛みが治まったりしません。実は、私は椎間板ヘルニアの治療を多く手がけていますが、私自身が椎間板ヘルニアに掛った事がないのです。ですから、もう一つ、患者さんの苦しみが解らない面があります。自由診療の弊院に見える頃には、相当に悪化しています。胃の薬と一緒に飲まないと治まらない様な、強力な痛み止めを服用しています。ミネラルは土中に含まれています。超新星爆発で出来た元素と言われています。そして、作物が吸い上げたモノを、私達が食べて体に取り込んでいます。一方海水に含まれるモノは、川を通して陸から流れ込んだモノです。マグネシウムは、海産物に多く含まれます。海草や魚介類です。他には、野菜やナッツ類です。ニガリ(塩化マグネシウム)を凝固剤として使う豆腐にも、多く含まれています。

  ここで、ご注意したいのは、ミネラルの過剰摂取です。普通の食事で摂り過ぎになる事はありません。マグネシウムなどのミネラルは、先に述べました様に自然界では少ない、貴重なモノです。そして、細胞の活動には不可欠なモノです。ですから私達の体には、それをムダに排出しない機能が備わっています。腎臓で濾しとって、再利用しているのです。それが、サプリメントなどで摂り過ぎると、弊害が生じます。そして、過剰摂取を止めても、後遺症となって残る場合があります。腎臓が漉しとるために賢明に働くので、オーバーワークになってしまい、疲労して機能しなくなります。いわゆる、腎不全です。その果ては、人工透析です。食塩も砂糖も取りすぎると、同様です。やっぱり、旬の食べ物を満遍なく食べる事が大事です。加工食品などなかった祖先達には、旬の食べ物以外無かった訳ですから、私達の体はそれを受け入れる様に出来ているのです。

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 '17/10月の特集
■頚椎ヘルニアと、似て非なるモノ
 
頚椎ヘルニアを発症しますと、腕や指先などに、痺れや痛みなどの麻痺が出ます。頚椎ヘルニアと紛らわしい病気は幾つかあります。それが誤診や医療事故につながり兼ねません。今回はそれを取り上げてみました。と言うのも、整形外科では遅々として症状が改善しないために、カイロプラクティック療法に頼る事が多いからです。はっきり申して、医師でさえ、整形外科の保存療法は信用していません。保存療法とは、手術しないで治す治療法と言う意味です。しかし、ご存知の様に、カイロプラクティック療法は民間療法故に、術者の技量も様々に玉石混交状態です。行き場所を間違えますと、一生を左右する重大事故につながり兼ねません。ここでは重大事故に合わないためにも、種々の観点から注意を喚起したいと思います。弊院に見える患者さんの多くは、重症の方です。保険治療から始めて、あっちこち治療に回っているうちに重症になってしまった人や、勤務医師など、入院している暇が取れない人達です。

  間違った治療を積み重ねた末に、来院される場合もあります。患者さんは、ご自分が感じたまま、「肩が痛い」と言うかも知れません。殆んどの患者さんはX線やMRI画像も持参出来ません。そして、「マッサージに行ったけれども、全然良くならない・・・」とも、訴えます。そうなると、術者のアタマの中には、「肩こり」という先入観が生まれます。そして、頚椎のズレが血流や神経の流れを阻害しているのだろうと考えます。頚椎の動きを検査して診ると、実際、動きが悪い所もある・・・となると、カイロプラクターは、頚椎に順次矯正を加え、整えようとするでしょう。すると、次の瞬間から腕や指先まで痺れや痛みが出てしまう・・・パターンです。翌日には、その症状は更に悪化するでしょう。これは、頚椎に椎間板ヘルニアがあったという事です。この「肩の症状」は、上肢(腕や手、指)に麻痺が発現する以前の、椎間板ヘルニアの症状だったのです。術者は患者さんの、「肩が痛い」の言葉に引きずられて、単なる「肩が凝り」と判断したのです。確かに触診では凝りが酷かったので、凝りの併発もあったかも知れません。そして、凝りだけが原因の場合、瞬時に問題を解決出きるのがカイロプラクティック療法、だからでもあるのです。

 反対に、上肢に痺れが有るからと言って、頚椎ヘルニアとは限りません。肩こりが酷いために、上肢に向かう動脈が圧迫され、血流が阻害されて痺れの症状が出ている場合もあるからです。正座した後の、脚の痺れがそれです。但し、その場合でも、頚椎ヘルニア併発の可能性は、充分念頭に置く必要があります。術者は常に最悪の状況を想定して、治療に当たります。実際、MRI画像では頚椎ヘルニアの存在も確認出来るかも知れません。しかし、その症状は頚椎ヘルニアが原因の症状ではないかも知れません。そうなると、頚椎ヘルニアの手術をしても、上肢の痺れは消えない事になります。首の後ろに手術痕を作っただけ、という結果になり兼ねません。カイロプラクティック療法は保存療法ですから、いずれの場合でも治療は可能です。ストレート・ネックを正常に戻すなどして、頚椎にかかる負担を少なくして、肩こりや、それに付随する症状を取っていきます。

   椎間板ヘルニア以外でも、神経の圧迫は起こり得ます。そして、それによる神経症状が出ます。加齢と共に、椎間板の水分が抜けていき、上部からの圧力によるクッション性が減少します。それに対処するために、椎骨が少しずつ変形していきます。それによる症状が、変形性頚椎症(変形性脊椎症)です。使い込んで古くなった金槌のように椎骨のフチが横にせり出して、上部からの圧力を、その断面の広さで対処しようとします。そしてどんどん横にせり出して、先の尖った部分が神経を刺激する様になります。その結果、上肢に麻痺となって出ます。牽引の方向を間違えれば、更に神経を刺激する事になり兼ねません。牽引で症状が悪化したと言うのは、正にこれなのです。ですから、牽引の機械をセットする際は、必ず、医師自身が患者さんのレントゲン画像を確認しながら、セットする必要があるのです。往々にして、看護婦さん任せです。変形性脊椎症については、カイロプラクティック療法によって治療は可能ですが、加齢によって起きる訳ですから、たまの定期的治療は必要になって来るでしょう。それによって、良好な状態を温存する事は充分可能です。

  次に整形外科的な上肢の麻痺で、特に厄介なのは脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)です。文字通り、脊髄神経を内在する神経管が狭くなるというモノです。椎骨の回りには筒状に黄色靱帯というモノが取り巻いています。デスクワークによっては、殆んど首を動かすことなく、同じ姿勢を保持したまま仕事をしている人も多いでしょう。弊院に見えた方では、学者・研究者や公認会計士の方などがおられました。そういう患者さんは、頚椎関節の可動域が極端に減少しています。当初は、部分的な首の凝りから始まります。やがてそれが慢性化して、次第に関節周辺の筋肉の延びが減少し、関節の動きが悪くなります。それによって、靱帯が石灰化・骨化し、上下の関節が癒合してしまうのです。そして、癒合した骨が脊柱管内部にまで進入し、遂には脊柱管の容積を狭め、脊髄神経を圧迫するのです。そうなると、頚椎の場合は上肢両側に麻痺が出ます。ですから、動くべき関節は、錆び付かせないように、常に可動性を保っておく必要がある訳です。

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 '17/11月の特集
■頚椎の矯正は、何故、必要か
  厚労省の通達では、頚椎のスラスト、つまり頚椎の矯正は禁忌(きんき)事項です。単に「危険だから・・・」という理由です。しかし、カイロプラクティック療法にとって、と言うより、私達の健康にとっては、頚椎へのアプローチ抜きには考えられないのです。特に上部頚椎専門のカイロプラクティック療法というのがあって、そういう術者には、「何も治療するな」と、言うのと同じ事でしょう。それは、カイロプラクティック療法との哲学、考え方の違いなどではありません。一つには、頚椎には横突孔(おうとっこう)というモノがあって、そこを脳に血液を送る、頚骨動脈が貫いているからです。その事が、頚椎の矯正が有益であるか危険であるか、意見が別れてしまう所です。その危険性というのは、問題視される頚骨動脈損傷の危険性です。結局は、国が法整備し、カイロプラクターの力量を確保する事に尽きるでしょう。アメリカで行われている有益な治療法が、日本人の体質に馴染まない筈はありません。アメリカには、東洋人だって住んでいるのです。

  背骨は全てそうですが、頚椎の左右にも、横突起という出っ張りがあります。第六頚椎から上の各々の横突起には、横突孔という丸く小さな穴が開いています。その中を血管が通り、頭部に向かって延びています。頚骨動脈と言われるモノです。前後から見て、その血管はほぼ真っ直ぐですが、一番上の環椎の所だけ、血管が各々、外側に蛇行しています。環椎の形状は他の頚椎と違って横に広い輪っかになっていて、横突孔はその両端近くにあるからです。環椎には、椎間板はありません。機能としては、首の回旋の半分以上を担っています。そして、環椎の輪っかを二番目の頚椎が、芯柱状に上に貫き、頭蓋骨下部の穴に突き刺さっています。ですから、この二番目の頚椎は、その形状から軸椎とも言われます。環椎は回るための輪っかなので、その可動域は回転に沿ってズレ易くなりがちです。環椎が回転ズレすると、頚骨動脈はネジれ、蛇行は更に大きくなります。つまり、血流はスムーズでなくなります。動脈は新鮮な血液を運ぶモノですから、当然、その能力が低下します。

  ちなみに、動脈血から、大脳・側脳室という所で、脳脊髄液が生成されます。そして、新鮮な酸素や栄養素は、その脳脊髄液から脳神経細胞に供給されます。脳を養っている栄養素は、酸素とグルコースだけです。脳にそれ等が不足しますと、頭痛・メマイを惹き起こします。大脳は、体全体の酸素必要量の25%を消費し、グルコースは体全体の20%を消費するといわれています。頭痛・メマイは、それ等欠乏の危険信号を発しているのです。それを正常な血液に取り戻すためにも、カイロプラクターは環椎に矯正を加え、回旋ズレを修正しているのす。又、頚椎全体が均等に動く事によって、血流のみならず、神経の流れも整えていきます。カイロプラクティック療法には、その技術があるのです。一般的には、右回旋の方が少なくなりがちです。環椎の矯正は頻繁にする必要はありません。適切な矯正なら、軽く一・二回で目的は達成されます。もちろん、動脈硬化・関連の問診はします。つまり、問題視されるべきは、術者の習熟度です。頚骨動脈の損傷など、治療専門のカイロプラクターなら考えられません。

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